放送大学の英語科目について



平成
17年度より放送大学の外国語科目が大きく改編されつつあります。学生である皆さんの声に耳を傾けて、外国語教員が一丸となって新しい制作方針のもと可能な限りの刷新を試みています。改訂年度の都合もあり、すぐにすべての科目が変わるわけではありませんが、平成20年度以降も暫時改訂されていきます。



英語も以下の3つの大きな方針転換をしました。

1)   科目のレベルを科目名ではっきり示しました。

今まで、『英語I』、『英語II』・・・『英語VI』というように内容とレベルがタイトルだけでははっきりとしていなかったのを改め、「基礎」、「中級」、「総合」の3段階といたしました。そして、それぞれのレベルで内容のことなる番組を2つずつ配置しました。
表にするとこんな感じです。

レベル   入門   基礎 中級 上級
科目名
   英語基礎A('05)
       英語II('03)
  
  英語中級B('06)
英語総合A('05)
英語総合B('06)

2)    教材をもっと親しみやすくしました。

これまで英語は苦手で、試験も難しいという学生さんの声が大きかった気がします。特に『英語基礎A』では初歩的な文法からはじめて、ある程度の理解ができるまで、愉快なシナリオを素材に工夫して作っています。嫌な英語でも楽しんで学習できるようにしています。試験では9割前後の方が合格しています。『英語総合A』では英文は少し高度ですが、内容的には面白いものにし、丁寧な解説文をつけました。『英語総合B』は音楽を聴きながら歌詩を楽しく勉強できるように工夫されています。読むだけでも、聴くだけでも英語の世界が広がるように工夫されています。

3)    CDを印刷教材に添付しました。

『英語基礎A』と『英語総合B』では、ご自分のペースで学習できるようにCDを添付しました。学生さんの間でもあき時間に自由に聴けて便利だと非常に好評です。他の科目でもできる限り添付していきたいと思っています。(ただし、『英語総合A』のように著作権の都合上CD作成が不可能なものがでてきてしまうこともあります。)


そして、放送大学の学習理念を以下の点において面接授業を含めた教育プログラムの構築にあたっています。

1) 言葉への意識を高めること

外国語の勉強は実は日本語の勉強でもあります。日頃意識しないまま使っている自分の言葉は、外国語を勉強すると自然と意識されます。言語は思考を構成しています。言語能力の強化や、すなわち思考能力の強化にもつながることを心して勉強して下さい。その逆もまた真なりです。

2)    コミュニケーション能力を高めること

言葉はコミュニケーションの道具の一つです。特に異なる文化の中で使用されている言語を学習することで、日頃気づかないコミュニケーションの問題が浮かびあがってきます。それらをひとつひとつ考えていくことで、コミュニケーション能力が高まっていきます。

3)    積極的な異文化理解を促進

外国語に親しむと、今まで見えなかった世界が広がります。言葉の後ろにある文化的背景を学ぶことで、グローバル化し、多様化していく社会に対応できる視点と理解力が自然と身についてきます。それは、私たちがいる日本という国の文化と立場をもう一度世界的な視野にたって見直すことでもあります。

4)    心の窓を開くこと

外国語に親しむと世界が広がりますが、それは自分の心の窓を開くことでもあります。新しい世界を求めて、自らの心の窓を開いてみて下さい。新たな自己探求がそこにあります。

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