さて、そろそろ資格取得の具体的な話に移りましょう。
認定心理士資格というのは、4年制大学で修得した心理学の単位を、(公益社団法人)日本心理学会という団体が「認定」するというものです。
その際、大学で修得した単位数をそのまま認定してくれる場合と、大学で修得した単位の半分だけを認定してくれる場合とがあります。
あくまで大学で修得した単位数を認定するのですから、その点、気を付けて下さい。
日本心理学会認定心理士資格認定委員会では、資格取得に必要な単位の認定基準を以下のように定めています。
【基本主題】
「認定心理士」に求められる最も重要な必修的知識、または技術の部分で単位を認定する主題です。
修得単位数がそのまま認定の対象になります。
【副次主題】
当該領域の「基本主題」としては認められないが、若干条件を緩くしてこの「領域」に含めて単位を認定する主題です。
修得単位数の半分だけが認定の対象になります。
どの科目が基本主題で、どれが副次主題なのかは、なかなか分かりにくいと思います。
最終的にその判断は、認定心理士資格認定委員会という、日本心理学会の中の委員会が行いますが、放送大学の放送授業は、
昭和60年以来の全ての科目について、既に認定委員会で判断をしてもらっています。
その結果は、放送大学のHPに付設されている年度別資格取得対応項目一覧という一覧表に全て掲載してありますので、それを参考になさって下さい。
なお、面接授業については、各年度、学期ごとに開設される授業が違いますので、その都度皆さんにお知らせするようにしています。
それについても、同じページにありますので、履修登録の前にこの表で確認をなさって下さい。
さて、認定心理士資格取得のためには、大きく分けて2種の科目群から、それぞれ所定の単位を修得していなければなりません。
その科目群とは、1.基礎科目と、2.選択科目です。
放送大学にも「基礎科目」という種類の科目群がありますが、それとは違いますので、注意して下さい。
放送大学の学内認証制度(科目群履修認証制度;通称エキスパート)の一つに「心理学基礎」というプランがあります。
これは、認定心理士資格で言う1.基礎科目に該当する科目群を積極的に学んでもらおうという意図で企画されたプランです。
というのは、2.選択科目の方は多くの方がかなりたくさん履修し、単位も持っておられるのですが、1.基礎科目に該当する科目となると、
相当数の心理学単位を持っている学生さんでも、不足しているという例が少なくないからです。つまり、1.基礎科目にまとめられている科目というのは、
自分の好みの科目を中心に学んでいる場合、どちらかと言うと「避けて通ってしまおう」としがちな科目群ということなのです。
しかし、認定心理士資格取得には、そうした科目の履修も是非必要だということです。
なお、認定心理士資格と、先ほど申し上げた科目群履修認証制度(通称エキスパート)とを混同している方が時にいますが、認定心理士資格は放送大学とは無関係の、
(公益社団法人)日本心理学会という団体が認証を行っているのに対して、エキスパートの方は放送大学が独自に認証しているものです。気を付けて下さい。
次のページからは、1.基礎科目、2.選択科目それぞれについて、もう少し詳しくお話していきましょう。