よくある質問
- Q. この科目の全ての内容を1冊でカバーして,印刷教材よりも分かりやすくて,価格が4000円以下の本を教えてください.
A. そんな本があるのなら私が教えてほしいです. - Q. 〇〇に関して最も分かりやすい本を教えてください.
A. 分かりやすさは本と読者の相性によるところがありますので,図書館や書店で中身を見て,自分に合ったものを選んでください. - Q. 前提とする数学的知識を教えてください.
A. 使用する主な数学をご覧ください. - Q. 数学が得意で,微分積分の$\varepsilon$-$\delta$論法,複雑な微分積分の計算も,線形代数の証明はかなりできるのですが,この科目は難しいです.
A. 純粋数学と応用数学は発想が異なります.特にモデル化は大学の数学はもちろん,中学,高校の数学でもほとんど(まったく?)扱われていません.この科目で最も重要なモデル化(定式化)を理解するのに重要な数学的センスは,鶴亀算を連立一次方程式で表すことができることだと思います.鶴亀算は次のような問題です.
鶴と亀が合わせて8匹,足の数が合わせて26本であるとき,鶴と亀は何 匹(何羽)いるか.ただし鶴の足は2本,亀の足は4本である.
ちなみに,鶴亀算は次のような解き方だったと思います.仮に8匹すべて鶴だと足の数の合計16本で,8匹中亀を1匹とすると足の数の合計は18本となります.これらのことから,亀を1匹増やすごとに足の数の合計は2本増えると推測されます.足の数の合計を26本にするには,16から10本増やす必要があるので,亀は5匹となります.鶴は$8-5=3$匹となります.このような解き方も一般の問題解決では重要なセンスかもしれませんが,数理モデルによる定式化では次のように考えます.
鶴が$x_{鶴}$ (羽),亀が$x_{亀}$ (匹)いるとします. 鶴と亀が合わせて8匹いるので, \[ x_{鶴} + x_{亀} = 8 (匹) \] となります. 鶴の足は全部で$2x_{鶴}$ (本),亀の足は全部で$4x_{亀}$ (本)で, 合わせて26本ですから, \[ 2x_{鶴} + 4x_{亀} = 26 (本) \] となります. これらのことから, この問題は連立一次方程式 \[ \left\{ \begin{array}{l} x_{鶴} + x_{亀} = 8\\ 2x_{鶴} + 4x_{亀} = 26 \end{array} \right. \] により定式化することができます.
定式化のしかたをまとめると以下のようになります.- 鶴が$x_{鶴}$ (羽),亀が$x_{亀}$ (匹)と変数を決める
- 変数を用いて,「合わせて何匹」「足の数が合わせて何本」を表す