2.モノマーの構造
モノマーとは,ポリエチレンの場合のエチレンのような繰り返し単位になる分子であるが,モノマーの構造が決まれば,ポリマーの構造も決まってしまうかというと,そうではない.
たとえば,図9-4のようにイソプレンの重合でできるポリイソプレンの主鎖構造を考えてみよう.
図のように,イソプレンの炭素原子に番号をつけると,どこの二重結合が反応するかで全く異なる高分子ができてしまう.
特に,シス−1,4ポリイソプレンとトランス−1,4ポリイソプレンでは,主鎖炭素2Cと3C間の二重結合を180°回転するだけの違いで,分子鎖の立体的な構造も大きく異なり,物性も全く異なってしまう.
シス−1,4ポリイソプレンは天然ゴムの構造であるが,トランス−1,4ポリイソプレンは,ガタパーチャと呼ばれる天然に得られるプラスチックの構造である.